クルーザー殺人事件 草野唯雄 [国内小説]
10月21日付の読売新聞に、この本の犯人は『100人中100人とは言わなくても、99人は犯人を言い当てることはできない』と紹介されていました。
最近、推理小説ばかり読んでいるのでこの本が非常に気になり、すぐ探しに行きました。
・・・・が、古い本のためなかなか見つからず。
月は幽咽のデバイス 森博嗣 [国内小説]
前作からかなり間が空いてしまいましたが・・・
久しぶりに森博嗣を読みましたVシリーズもキャラクターの性格がだいぶ分かってきて、楽しめるようになってきました。
今回この本を読んで思ったのですが、森博嗣の作品の登場人物は圧倒的に女性の個性が強い気がします
瀬在丸紅子はいうまでもなく、香具山紫子は男性顔負けだし、祖父江七夏も気が強い女性だし。
そういえば、Sシリーズの西之園萌絵もかなりの個性派だったなぁ。
この作品では、オオカミおとこのエピソードが出てくるんですが、私は最後までオオカミおとこが犯人かも・・・ってひそかに思っていました(笑) そんなわけないのにね(苦笑)
今回のトリックは面白かったと思います。 あのオーディオルームを水でいっぱいにするなんて考え付かなかった!
博士の愛した数式 小川洋子 [国内小説]
博士にとっての「数式」は、自分自身が傷つかないための防衛手段だったのかもしれない。
若いときの交通事故によって、記憶が80分しかもたない博士にしてみれば、すべてのものごとが脅威だったに違いないと思う。
そんな博士の家にやってきた家政婦。
はじめは戸惑い、博士とどうやって接すればいいのか悩む。 しかし、クビになっていったほかの家政婦とは異なり、彼女なりの愛情をもって博士と向き合っていく。
博士は前日に起きたことも次の日になってみればすっかり忘れてしまう。
そんな博士に対し、少しもイライラすることなく、根気強く接する家政婦に博士も少しずつ心を開いていく。
博士は特に子ども好きで、家政婦に息子がいるということを知り、彼に「ルート」というあだ名をつけてかわいがった。
家政婦とその息子ルートの博士を思う気持ちは本当に美しい。
博士を傷つけないように、がっかりさせないように、二人は一生懸命になる。
他人を思いやる気持ちに、読み終えたあとも涙があふれて止まらなかった。
本当に素敵な話なので、多くの人に読んで欲しいと思う。
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